TOPに戻る スローフード 大豆 = 坐禅豆(ざぜんまめ)
平成14年11月、私が所属する「熊本シニアネット( KSN)」のML(メーリングリスト)に、
大豆の効用についての投稿があり、その後数人の会員の方々からのさらなる投稿で賑わいました。

このページは、投稿されていた会員の皆様の資料を基に作りました。
~~~~ 何と言っても大豆は畑の肉とかいうもんね。子供の頃 かあーちゃんが作ってくれた「坐禅豆」は
表面にしわがあったもんね。~~~~
その年の10月、秋に行われた村の収穫祭で、食べた手作りの「坐禅豆」が、
正に冒頭
(会員N.Aさん)の味でした。
それから執ように昔ながらの
表面にしわと艶がある固めの「坐禅豆」への挑戦が始まりました。
村の複数のおばあちゃん宅を訪ねて煮方を習いました。家庭ごとに多彩な煮方があるのですね。

しわしわの「坐禅豆」再会

 今年の2月、合志町の県農業公園「カントリーパーク」で毎年行われる「農協植木市」で、
出店されているTさんに久しぶりに会いました。休憩用の簡単なビニールハウスに招かれ、
お茶をいただきましたが、何とお茶請けに「坐禅豆」があるではありませんか。
しわしわ、艶、堅さ、味はこれぞ求めていた
「坐禅豆」です。
奥様から詳しくひつこく煮方を聞きました。

  基本的には 

大豆を洗って一晩3倍の水に浸ける。
・強火で煮て沸騰したら、10分程中火で煮ながらあくを取る。
砂糖、醤油、塩で味を付けてコトコト煮て出来上がりです。
       昔、主婦が家事の片手間に、囲炉裏やヒチリンで煮ていた頃を想像しながら、
       何度も挑戦しましたが
表面にしわがある固めの「坐禅豆」は出来ません。
       
あくまでもシンプルな「坐禅豆」を目指しました。


 一月ほど前から好きな「ざぜん豆」に挑戦しています。「おふくろ館」で300g入りの大豆を買い、
お仕事中のおばちゃんをつかまえて、煮方を習います。これこれしかじかと教わり、
一晩浸けて翌日煮るのですが、
 味はまあまあ、しかし見た目がいまいちです。300gは結構の量ですので、熊本の自宅に帰ったとき半分は持って帰ります。「お父さんが煮た豆だ。食えよ」と夕食時、子供達に差し出すと、
「また豆ね〜」と敬遠気味です。
 しかし西部開拓時代、牛追いのカウボーイ達があの過酷な労働での主食は豆でした。
昨日煮た「ざぜん豆」は6回目。
味はいいのですが、やはり納得いかず。

「子供達よ 健康食品の大豆を食べなさい」と今度帰る時に、またお土産に持って帰ります。(会員g-gさん)

 昔から(会員M.Sさん)

 座禅豆、時々作りますが若いもんには人気が有りません。
硬くしわしわにするには、
煮豆よりも早めに砂糖と醤油を直接入れて水分がなくなるまで煮詰めるといいんですが何しろ適当に手加減で作るので人様の参考になるか?どうか
 
コツは早めに多目の砂糖を一度に入れてしまうことです。私は生姜を小さく切って最後に入れますが日持ちの点から云えば何にも入れない方が良いようです。     


あれから2年の修行、会員M.SさんとTさんのレシピとを参考に自分なりにアレンジしてみました。

私の簡単レシピです。

・大豆1kgを洗い、厚めの鍋に入れて、一晩浸けなくても4〜5時間程度でも充分。
・火を付けて 煮えたってあくが出てきたら20〜30分ほど灰汁をすくいながら煮詰め、
 この時の火加減は豆の皮が剥けないように中火程度で。豆を踊らせないこと。
・時々あくを取りながら、お湯が少なくなったらたす。
・煮え加減を味見して、コリコリしてお湯がひたひたになる頃(〜火を付けて1時間ほど)
中サラ糖(約600g)を加える。
 醤油(大さじ2杯) 塩は(小さじ山盛り2杯程度)味加減をみて調製する。
一時間ほどで下から
泡が立ち出す頃を見計らって火を止め
 そのまま冷えるのを待つ。出来上がりまで3時間ほどです。
満足な出来不出来は、火を止めるタイミングです。
 堅さを出すなら
思い切って煮込みましょう。

 ※ 昆布を加えるならば、最初に火を付ける時に5cm程に切った野菜昆布を5〜6枚入れて、
煮立った時に一度出して、短冊に切って、火を止める前に再度煮汁につけこみます。
味を付けるていどです。早く入れすぎると溶けてしまいます。
 ※ 
柔らかめが好みなら、砂糖を数回に分けて入れ、煮すぎないように早めに火を止める。
 ※ 
他の容器に移し替える時、煮鍋が完全に冷えてから、静かに容器に移し替える。
ここでの大豆の
天地換えも重要なポイントです。
               早く食べたいのはやまやまですが、鍋が冷えるまで触らない。

 他にしわしわの「坐禅豆」の作り方は色々あると思いますが、
出来上がりをTさんに試食していただきましたら
満点の合格点をいただいだきました。

    食べ始めたら箸が止まらない事請け合いです。
正しい箸の使い方は
脳の活性化につながります。


          圧力鍋で(会員H.Sさん)
    大豆・500g
    水・・・1300g
    野菜昆布・・1本(又は出し昆布10平方センチ)
 一晩つける。膨らんだら、昆布は取り出して短冊にカット。
 豆は圧力釜にセットし蒸気が出始めたら、火を小さくして
 8分加熱、後、20分放置柔らかさは御自分の圧力釜の性能と
 火加減、時間で違ってきます。
 豆が煮えたら、ボールにざるをセット、湯で汁をきる。
・鍋に砂糖粗目お玉3杯、水あめ卵大(50gから70g)湯で汁
 お玉1弱(70cc)入れて火にかけ、砂糖をとかす、
 溶けたら一度に豆を加え混ぜる
 短冊に切った昆布も加える。中火で混ぜながら4〜5分煮る。
 あまった湯で汁は、飲み物としても美味しいです。
・お醤油・お玉1杯(90CC)加える。
 弱火で7〜8分混ぜながら煮る
 味を見て、お塩小匙1加えるか・・
 お宅のお醤油の塩加減で違ってきます。
 柔らかく煮含めるのがお好みなら、お砂糖は5回くらいに分けて
 30分間隔くらいで加えると柔らかくできます。
 味は冷えるときに中にしみこみますから、
 一晩置いてからいただきましょう。
いかがですか大豆ご飯(会員H.Sさん)

 大豆をはふやかさないと使えないと長いこと思っていました。 
しかし、熊本県玉東のKさんから教えていただいてからは、硬いままですぐスイッチを入れ、ご飯が出来るときには歯ごたえ有る美味しい大豆ご飯になる事を教えていただきました。

 お米・・3カップ・・大豆70gを加える。塩少々。水加減は普通よりも若干多め。時間をおかずにすぐスイッチを入れます。

 勿論好みですが、お赤飯のような食感。食感のみでなく大豆から大変いい御出汁も出るようです。      

 ※お好みで更に、だし昆布とお酒少々、
醤油適量(水をなめてみて薄く味が
付いてるくらい) 
 上記の他に梅干しを一個入れて炊くと
色がきれいになるかも?

味噌大豆の作り方(会員H.Sさん)

 大豆150g、味噌 70g、塩加減による。
  マーマレード50g、

 1、大豆150gは茶封筒に入れデンシレンジで1分、
 2、取り出してシャカシャカ振って、
   中を混ぜたら又レンジに1分
 3取り出してシャカシャカ振って、
   中を混ぜたら又レンジに1分
 4、合計で3〜4分です。必ず途中でシャカシャカします。
   振らないと部分的にこげてしまいます。
 5、煮えたかどうだか食べて見よう!
   ここはリズムを取り口ずさむ。
   レンジにかける時間は、大豆の量とレンジの
   性能にもよりますが、
   目安は、香ばしい香り。初めは、まん丸な大豆が、
   楕円形になり真ん中に割れ目が出来る。
   乾燥した大豆なのにかなりの湿気が出ます、
   封筒は濡れていますし
   凄く熱いから注意しましょう。
 

6、大ぶりな器に味噌を準備。大豆のかさの1/3くらい。
  マーマレード約50g、混ぜる。甘さは好みで! 
  蜜柑の皮を刻んでくわえても美味しいです。

7、(5)の炒り大豆と(6)のマーマレード味噌と混ぜ合わせる。
  歯に自信が御ありの方は作ってすぐ、カリカリと召し上がれ!
  歯が少し心配な方は、(6)のところでみりんを加えましょう。

  そして2週間もすると、大豆のみそ漬けが
出来て柔らかくなっています。

 ※ 味噌は生のままで酵素が生きたままの方が
美味しいようです。

しかし、浜町出身の友人は、
味噌を油で炒めて砂糖を加えるよし。
味噌が少し焦げていい香りになり油で旨みも増すようです。

    お茶請けによし、酒の肴にも良しです。


こんにちは! 大豆ご飯早速炊いてみました。シンプルなのに味わいのあるご飯ですね。我が家では玄米に小豆を入れたご飯はよく食べますが、大豆は初体験でした。最近は豆乳ブームですが、原料の大豆を手軽に摂取するには大豆ご飯が一番ではないかと思いました。ご飯メニューが増えて感謝!
(会員K.Yさん)
大豆大好き!

    毎日元気です。

 大豆については、私は豆乳を長年愛飲いたしております。調子はすこぶる良いようです。特に、おなかの具合が…酢大豆を試してみましたが、どうもいまいちで長続きしません。
あの生臭さと酢の匂いがたまりません。とにかく、栄養万点なのは確かですから<コレステロールを除く作用、蛋白質のレシチンやサポニンは同様にコレステロール
を除く作用があり、動脈硬化・高血圧の方にはお薦めの食品だそうです>…という事なので、これから大豆とますます仲良くなろうかなぁと思っております。
(会員K.Sさん)

 おはようございます。メールで大豆の効用がでていますね。戦中派としては懐かしい限りです。あのころはいろいろなものを食べました。大豆もその一つですが、かんたんに作れたのは「みそ大豆」でした。
 大豆を炒ってすり鉢でみそと混ぜ合わせたものですが、簡単で弁当のおかずにしたりで大変重宝でした。今のわたしの歯では堅くてとても食べられないと思いますが、そのころは盛んに食べていました。懐かしい思い出です。(会員O.Tさん)


 (一)大豆の話題がいくつかありましたが、私も健康のため大豆を材料にした料理や大豆食品をなるべく多く摂るようにしています。
 大豆には植物性エストロゲンのイソフラボンが含まれているそうです。イソフラボンのことは、最近、テレビコマーシャルや活字メディアでよく目にするようになりました。大豆に含まれているイソフラボンは特に大豆イソフラボンという名称で表現されていることが多いようです。
 植物性エストロゲンとは、植物に含まれている色々な物質の中で、特に女性ホルモン(エストロゲン)に似た作用を持つ化合物のことをさしています。大豆イソフラボンはこの女性ホルモンに似た作用のあることが分かってきました。
 最近、女性の閉経後に現れる様々な症状を緩和する目的で大豆イソフラボンが盛んに研究されるようになりました。女性ホルモンの減少による更年期の症状をイソフラボンの女性ホルモン様作用で代替しようということのようです。事実かどうかわかりませんが、豆類は男性の頭髪に良いとか、女性の肌の艶がよくなるというような話も聞いたことがありますので、これもイソフラボンの効果かもしれません。閉経後の女性に多いといわれている骨粗鬆症(こつそしょうしょう:骨がもろくなる病気の一種)の予防にイソフラボンが効果があったと述べている研究者もいるようです。

 (二)大豆イソフラボンは1つの化合物と思われがちですが、実はゲニステインとダイゼインという2つのイソフラボンが主要な構成成分として知られている混合物す。このうちダイゼインは漢方薬の「葛根」(かっこん)にも含まれていますので、大豆には漢方薬的な効能も有るのかも知れません。
 イソフラボン類は熱には比較的強い化合物なので、普通のアルミ鍋で少々長く煮ても壊れてしまうことは、まず無いと思います。
ただ、他のフラボノイド化合物と同様に酸性には強いのですが、アルカリ性には弱いので調理には注意が必要です。
また、生の大豆には消化酵素のトリプシンを阻害する酵素が含まれているようなので、良く加熱した方が栄養素の消化吸収のた
めにも良いかと思われます。(会員S.Hさん)

 

大豆の事 効用など、会員T.Kさんの投稿をまとめてみました。
KSN会員の皆様御協力有り難うございました。

1、Hさんの「大豆」のお話が出ていましたので、かねがね大豆系の食品を常食にしようかなと、考えていましたので調べてみました。 
『台所漢方の事典』講談社+α文庫 根本幸夫著という本について当たりましたら、面白い記事がありましたので要約で紹介します。
 著者の根本幸夫氏は東京理科大薬学部・東洋鍼灸専門学校などを出られて、漢方薬局を経営の傍ら、総合漢方研究会会長・南カリフォルニア大大学院日本校講師で著書多数の方です。
 ダイズは黄ダイズ・黒ダイズ(幅広い効用あり)強い補腎(体力増強)、利尿作用があり、むくみがあるときに用いられるそうです。
 殊に腎臓の悪い人にはいい食物のようです。(リュウマチ性疾患・寝汗・疲労回復にも可) ダイズの脂肪の大半を占めるリノール酸にはコレステロールを除く作用、蛋白質のレシチンやサポニンは同様にコレステロールを除く作用があり、動脈硬化・高血圧の方にはお薦めの食品だそうです。
2、殊に腎臓の悪い人にはいい食物のようです。(リュウマチ性疾患・寝汗・疲労回復にも可) ダイズの脂肪の大半を占めるリノール酸にはコレステロールを除く作用、蛋白質のレシチンやサポニンは同様にコレステロールを除く作用があり、動脈硬化・高血圧の方にはお薦めの食品だそうです。 

1)(疲れやすく寝汗をかく人)黒ダイズの皮9gとコムギのふすま9gをカップ二杯の水で煎じて飲む。
2)(リウマチ・関節炎)黒ダイズと生姜を一緒につけたマムシ酒
3)(腎機能の衰えで起こる耳鳴、夜の頻尿)黒ダイズ60gと羊の肉500gを一緒に煮て食べる。味付けは塩コショウで。
4)(ふけ取り)黒ダイズ50gにカップ三杯の水を入れて半量になるまで弱火で煎じ、その汁を漉して、シャンプー後のリンスのように使う。
5)(老化防止)これは人の口に膾炙されていますが、ダイズを焙烙などで皮が割れるまでいりあげて、醸造酢をひたひたに注いでおくと、2,3日後には酢ダイズとして食べられる。この酢ダイズを毎日10〜20粒食べ続けると、コレステロール値や血圧を下げる効果あり。
6)(ふけ・白髪の予防)黒ダイズ200gをきれいに洗い、米酢1‡gにつけ、三日目に火にかけて、豆がやわらかくなるまで煮て、その汁を漉して洗髪に使う。(中国古来の洗髪法)
7)(尿がでしぶる)黒ダイズを味をつけずに柔らかく煮たものを食べるか、10gをカップ三杯の水で煎じた汁を一日分として、2〜3回に分けて飲む。
 その他、妊娠関連もありますが、省略します。
以上、が「台所漢方の事典ー大豆」の要約です。
 肥満している人は要するにダイズを食べなさいと書いてあります。納豆・豆腐もいいそうです。私は今日健康チェック結果を貰いまして、やはり肥満が最大の問題ですので、これらダイズにどのように向かおうかなと、食卓で考えました。
 *ただし、アトピー性皮膚炎・喘息などの方はご注意あれということでした。

 3、ところで、私は大豆には戦時中悩まされたことがありました。
 昭和20年7月、玉名郡の疎開先で二週間ほど食事が大豆のみになりました。 ごじゅる、水に大豆をつけて膨れたところを碾き臼でひいた団子、大豆豆のふかし、黄な粉、炒り豆など、母はいろいろ知恵を絞りましたが、やがて我が家は全員下痢状態になりました。
 あの時は、食料が単品の場合がありました。戦後はアメリカが援助したトウモロコシ粉がありました。
 そんなことで、この話題でメールしている時、ついこんなことを思い出しました。

 4、大豆の話が続きました。そこでマメ類について少し述べてみます。
 まず、穀類とマメとを対照的に見ますと、穀類は煮やすくマメ類は煮えにくいということです。またマメ類は穀類に比べて蛋白質と脂肪分がおおいことです。 マメ類の調理法の最も原初的なものは火で炒ることです。節分の大豆はその名残です。そら豆も子供の時にはよく食べていました。

 またチベット人は旅行食として、主食のツアンパと一緒にダイズ・そら豆・豌豆などの炒ったものを携帯します。
 *ツアンパはチンクームギを炒って粉にしたもので、椀に入れて水や茶を加えて練ったもの。日本の麦焦がしに近い。 マメの調理法の前提となる加工法として代表的なものがインドのダルとエジプトのファラフェルという方法です。
 *ダルはマメを石臼で砕く、マメに水を吸収させて乾燥して石臼で砕く、油や香辛料を入れて砕く、などの方法で粗挽きの状態から調理する方法がある。
 また、ファラフェルは主にそら豆であるが、石臼で粗く砕いて皮分を除き、一夜水に漬けて水切り後、小麦粉・野菜などを加えて臼で挽いてペースト状の団子を揚げる。
 同じマメでもダイズとなりますと、インド・エジプト起源の蝶理前加工の途をとらず、ことなったやり方をとります。
 その典型的な例をインドネシアにとって説明します。その前に、マレー・インドネシア系の民族は中国華南に原住地とするといわれていますので、ダイズの原種はヒマラヤの何処かに求められねばなりませんが、現在証明されてはいませんが、推定は出来ると思います。

5、座(坐)禅豆の話題が続いています。私も昔は食べていました。座禅という名があるように、尿間が永くなるということから寺院で食されたということが出ています。 ところで私は「こる豆」で知っていましたが、「干しころ豆」、応用的なキンキラ豆・ころまめなどは保存食として戦時中よく食されたといいますが、これも寺院の保存食として大徳寺納豆などはその有名な例です。 製法は(自分で作ってないので気がひけますが)ねば納豆を塩漬けにして天日で乾燥して、小麦粉(今ではカルシウム粉もあり)をまぶしてしっかり干し上げる。 私の個人用冷蔵庫にも2年前のものが入っていますが、まだまだ立派に酒の肴に供しています。 噛めば噛むほど味が出て、塩分が濃くたんぱく質も豊富なので、農村など大量の汗を出すところでは、お茶うけに食されました。 今時期に農産物と一緒に売られていると思います。

7、こる豆を話題にしてみましたが、左程の拡がりはなかったようですが、熊本の郷土食として食物関係の文献にもでていますので、あえて書き加えたいと思います。
 その前に[Ksn21430]で、こる豆の素材が「ねば納豆」としていましたが、それは誤りで、煮た大豆に味噌の麹菌をつけるのが正しい素材でした。確かめもしないで失礼しました。
 そもそも「こる豆」の「こる」がどうも気になることでした。「ころころ豆」等とも言うといいますのでただのころころしているからその名があるのかと思えば思えます。
 この数日頭の中で、「こる」という言葉をころころ転ばせていました。 子供の頃玉名地方では漬物のことを「こるもん」といっていたことを思い出しました。「こるもん」は「香のもの」という言葉につながることは容易にたどり着きます。
 そこで、香のものについて調べていくうちに、通常「香のもの」とは味噌漬けのことであるが、古くは塩漬けのことを言うという文献にたどり着きました。 そのことから、「こる豆」が「こる→香る(こうる)」読み替えたら塩漬けの豆という意味にとれるではないか、というところまでたどり着くことが出来まして、その目で資料をみたら、それを裏付ける言葉が出てきました。要するに「こる豆」は味噌豆の塩漬けで、禅宗寺院を中心に、全国に普及して熊本にも農村を中心に定着したと言うことが、わかりました。

6、 昨日は思いがけなくも「四時軒」を訪問しましたが、私自身10数年ぶりの訪問という感じでした。感じとしては、立派な資料館ができていましたが、四時軒はもう少しその佇まいを際立たせてほしかったですね。そのほうが「歴史」する雰囲気づくりには有効とおもいました。資料館はすこしはなれたところのほうがいいようで、資料館が四時軒を取り込む形となっていました。 こる豆は菊水の納豆会社のものでしたね。その前に行ったところは地元農家がもってこられますので、よろしかったらまたその機をつくりましょうか。 こる豆は大徳寺納豆、浜納豆の系統のようですね。ことに大徳寺納豆は精進料理から出たもので、一休納豆という別名があります。お茶と共に供され、さらに酒の肴としても好まれるようになり、民間に伝えられて農村の「こびる」時などの茶うけになったようです。
 中国の豆? (ドウチ)という調味料を祖型としており、「斉民要術」という本によりますと、「豆を煮て、暗い部屋に寝かせておくと菌による発酵がおこり、黄衣(ケカビの胞子)に覆われて蛋白質が分解されて、次にこれを洗い、藁を敷いた穴倉の中で発酵を促し、さらに天火で乾燥する」  色見さん、こる豆の製法を西原の店で聞きましたね。基本的には上記のやり方と共通していますよね。
 私の3年物のこる豆はおいしいですよ。